地球をブラックホールにすると半径はどのくらいになんの??
「ブラックホールってなんですか?」
塾でバイトしてると結構聞かれる質問ですね。
高校地学をやったり、知識がある方はご存知だと思いますが、ブラックホールとは「もの凄い密度、質量、重力を持ち、光すらも脱出できない天体」です。
重力(万有引力)の大きさはその天体の密度によります。ブラックホールはその密度の高さゆえに、重力が凄まじい大きさなんですね。
そして、ある天体がその質量を維持したまま収縮し密度が大きくなることで光が脱出できなくなるときの天体の半径を「シュワルツシルト半径」といいます。つまり、この半径より小さくなるとき、脱出速度が光速より大きくなるということです。
この記事ではシュワルツシルト半径を求める式を用いて、地球質量のブラックホールが存在するならどのくらいの半径になるのかを計算したいと思います。
これがシュワルツシルト半径の式です(手書きの写真ですいません……)。
それぞれの文字はrg : シュワルツシルト半径、G : 万有引力定数、M :天体の質量、c :光速です。*この式の導出はこの記事の最後に!
それでは実際に値を代入して地球のシュワルツシルト半径を計算してみましょう!
万有引力定数G=6.67408×10^(-11)
地球の質量M=5.9726×10^20【kg】
光速c=2.9979×10^4【m/s】
*万有引力定数の次元は省略します。
これらを先程の式に代入して計算をすると……
地球のシュワルツシルト半径は8.93mmと出ました。
つまり「地球を半径約9mmの玉に潰さないとブラックホールにならない!!」
ということです!
ブラックホールの密度の凄さが分かりますよね……。
ついでに太陽についても同様に計算すると
そのシュワルツシルト半径は2954.018mです。
地球と比較すると「約3kmか……」となるかもしれませんが、よく考えるとめちゃくちゃ小さいですよね。
ちなみに、今確認されている中でも最も大きいブラックホールOJ287のシュワルツシルト半径は530億kmだそうです。そしてその質量は……
太陽質量の180億倍!!
凄すぎてよく分からない!!
今回はシュワルツシルト半径について書きました。これを機にブラックホールについても興味を持っていただけると嬉しいです(私は薬学生)。
最後にシュワルツシルト半径の導出を書いときます。高校生の物理を知ってるなら求められると思います。